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死の連鎖から抜け出せるか!?渡辺潤のホラー漫画「クダンノゴトシ」あらすじ・ネタバレ感想

クダンノゴトシ

本来、クダンノゴトシ(件の如し)って手紙や文書の末尾に締める決まり文句で使われる言葉です。さて、そんな終わりに用いる言葉をタイトルにした漫画の内容をレビューしていきます。クダンノゴトシは「代紋」「三億円事件奇譚 モンタージュ」「ロックンロールリッキー」などを描いた渡辺潤先生の作品です。ヤングマガジンで連載されていました。全6巻を持って完結するミステリーホラー漫画に仕上がっています。

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城栄大学の旅行サークルである藤沢、馬場、小野寺、河合、白石、辻本、櫻井の7人は卒業旅行として向かった伊豆からの帰り道、飛び出してきた「何か」を車で轢いてしまう。轢いてしまった「何か」が気になる7人はスマートフォンのライトを頼りに「何か」を探す。

轢いた物体としては「牛」であった。
しかし、その牛は起き上がり、7人の前に顔を見せる。牛の顔面は人間の顔になっており恐怖を感じた一向は牛を落ちている木で殴打して逃げる。

翌日、物語の主人公である辻本は人生に疲れて自殺をしようとするが意識の中で轢いた牛が現れて一命を取り留める。さらに白石も同じく牛の化け物が現れて7日後に死ぬといった宣告を受ける。白石が宣告を受けて丁度7日目、公園の時計台が落ちてきて白石はこの世からいなくなってしまう。

連鎖されていく死の宣告

最初に牛の化け物から宣告を受けたのは城栄大学4年の白石辰巳。実家はコンビニ経営をしているなど細かい設定もあり。同じく辻本も自殺しようとして意識を失った時に牛の化け物を見ますが宣告はなく、自らによる死は認めないとされ、意識を取り戻す。

そして宣告されてから7日後に白石は不運な死を遂げる。

続いて同じく城栄大学4年の馬場あゆみが牛の形をして顔は白石辰巳の化け物から死の宣告を受ける。ちなみに白石と馬場は両思いであった。白石に至っては馬場に告白しようとした時、馬場の目の前で死んでいる。クダンノゴトシでは死んだ人間の顔をした牛の化け物が現れて死の宣告をしていく。

連鎖される宣告を止める術はあるのか?なぜ死人の顔をした牛が現れるのか…謎が謎を呼ぶホラー・ミステリーとなっているのが渡辺潤先生のクダンノゴトシです。

城栄大学民俗学研究所で明かされるクダンの実態とは

恐怖や自分達の友を助けたいといった思いから通う大学でオカルトに強い教授に相談をすることになる。教授の名は橘 秀美だ。女性のような名前だが男性である。しかもヤンキー漫画に出てきそうなオールバックで厳つい雰囲気を醸し出している。オカルトに興味がなさそうな感じなのだ。

この漫画で語られる件(クダン)は宝永2年(1705)から出現した記録があるとされており、御利益のあるめでたい獣と橘は説明する。本来なら人を呪ったり、殺したりはしないはずだと。例外があるならクダンを見世物にしたり殺害してしまうと例外があるかもしれないと語る。

旅行サークルの面々は恐怖のあまり、自分たちの前に出現したクダンを殺ってしまった。これが死の宣告が連鎖される原因なのかと思うかもしれないが、それだとストーリーが浅すぎるので他の理由が必ずあるはず。

そして、ここからの展開で最初に現れたクダンの獣の顔。実は桜井千鶴の父親だったことが終盤で判明する。で、辻本と最初のクダンを轢いてしまった現場に一緒に来た桜井はなぜかナイフを片手に持っている。矛先はどうやら辻本に向いている…といった具合で1巻は幕を閉じていく。

渡辺潤のホラー漫画「クダンノゴトシ」感想

画も上手いし、ホラー×ミステリーが好きな方なら満足度の高い漫画であることは間違いない。ホラー的な面より個人的にミステリー色が強いと思っており、多くの謎が残されたまま次巻へ繋がっていく。

読み進める事に謎のピースが徐々に埋められていく感じが良い。

神秘で怪奇的な現象が好きな方はドンピシャな漫画になるだろう。逆にラブストーリーとか、男女がイチャイチャするリア充系漫画を好む人は怖さと謎が深く、受け付けない、合わない漫画になるだろう。

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